ジョー=ウィルフィード・ツォンガのバックハンド強打

ラケットを丁寧に押し出すように打っています。ボールに方向性を与えることができています。打ち終わった後もインパクトに顔を残しています。インパクトを点でとらえず、線でとらえています。身体をうまく使って、右足をしっかり踏み込んで右足を中心に身体を回転させ、遠心力を使って打っています。
ツォンガのバックハンドは、非常に重たく、威力があります。しかも大胆で、どこを狙っているのか対戦相手は読みにくい。クロス、アングル、ストレート、深いボール、ヘビートップスピン、しつこくつなぐループ気味のボール、相手に読ませないように様々なボールを打ちます。多彩で攻撃的。バックハンド同士の打ち合いにも強い。基本はクロス方向に引っ張るのを得意にしています。バックハンドスライスもうまい。また、器用で、パッシングショットやランニングショットのときに、片手バックハンドを使うときもあります。高い打点での強打もうまく、リターンでも攻めることもできます。ベースラインの少し後ろで打ち合うのがツォンガの「間」です。相手からエースを取られることも少ないが、自分からエースを量産できる、とまではいきません。

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器用なラケットワークで柔軟に打ち方を変えることもあり応用力が高いですが、少し横着をして打っているように見えるときもあります。相手の逆をつこうとして、ミスをしてしまう場面もあります。また、ベースラインの少し後ろからオーバーペース気味に強打してミスをするシーンもあります。いくら豪腕のツォンガでもベースラインから少し下がったところから強打してもエラーが出てしまいます。必要以上の強打は、力みを生み、打点の乱れを引き起こします。調子が良いときは、狙ったところにボールが行き、ライン上にボールが落ちます。ツォンガのレベルが今より上がるためには、調子の波を一定にすることでしょう。

 


<違う角度から見たツォンガのバックハンドストローク>

18. ガエル・モンフィスのバックハンド強打

モンフィスのバックハンド強打:ダウンザラインに強打した例。両手バックハンドでストレートに打つときは、スイングはインサイドアウトが基本になる。また、インパクトでは体が開かないようにし、インパクトでラケット面を少し寝かせるのもポイントになる(ラケット面を立ててインパクトすると、クロス方向に打ちやすくなる)。また、両手打ちバックハンドストロークでは、フォロースルーでの左手の位置と、左足の位置を結んだ直線上にボールが飛びやすい。そのため、ストレートを狙う場合は、フォロースルーでの左手の位置と左足を結んだ直線が、ストレート方向に向けることがポイントになる。

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違う角度から見たモンフィスのバックハンドストローク

>>前と右から見たモンフィスのバックハンドストローク(ジャックナイフ)

22. ロベルト・バウティスタアグートのバックハンド強打

ロベルト・バウティスタアグートのバックハンド強打:アグートのリターンでのバックハンド強打。インパクト直前でグリップエンドが相手に見えるようリストを効かせている。フォロースルーで肘で口が隠れるほど大きく前にラケットを出している。また、胸の張りを作り最後まで大きくスイングしているのもポイント。フィニッシュでは、利き手の肘を折りたたむ意識も持っている。

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