6. トマーシュ・ベルディヒのフラットサーブ

トマーシュ・ベルディヒのフラットサーブ:ベルディヒのサーブの特徴は、トスを上げた後のテイクバックモーションである。トス以外の動作を止めて、トスを上げることだけを行う。そのため、トスは他のプレーヤーに比べて、非常に高いにもかかわらず、安定感が高い。トスの後、ラケットをかついでいき、下半身のためをつくる。一連の動きの中で、トスを上げることと、それ以外の動作を完全に分離することで、威力を出すための「タメ」を効果的に作り出すことに成功している。一般のアマチュアにも、タメをつくることができず、サーブに威力が出ない方は是非とも参考にしたい。

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<それぞれの方向から見たベルディヒのサーブ>

12. ジョー=ウィルフィード・ツォンガのサーブ

ジョー=ウィルフィード・ツォンガのスピンサーブ:セカンドサーブでラケットを思い切り振り抜いて打ったスピンサーブ。スピンサーブの生命は、最大限に与えるボールの回転だ。そのため、フラットサービスでは、前方に上げたトスアップのボールを、スピンサービスでは頭の後ろのほうにあげる。正確には、頭の後ろ、背中の方向にボールをあげるのだ。そして、このボールを打つ。後ろに上がったボールを打つのだから、当然、上体を思い切ってそり返さなければならない。ここが、「ツイスト」といわれる理由なのだ。頭の後ろでとらえたボールは、むしろ下から上にこすりあげるような要領でインパクトして、ボールに強い順回転を与える。フォロースルーのとき、フラットサービスでは、ラケットが左足の外側に降ろされたが、スピンサービスでは、右足の外側方向に振り出される。

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<それぞれの方向から見たツォンガのサーブ>

7. ダビド・フェレールのファーストサーブ

ダビド・フェレールのファーストサーブ:ファーストサーブでフラット系のサーブを打った例。きれいに内転を使って打つことができており、球威で圧倒している。ATP選手の中で身長が高くないフェレールにはサーブにおける工夫が見られる。①テイクバックで肘をバックフェンス方向に大きく引く。②少しでも高くジャンプし、打点を高くする。③リストだけを使ってインパクトするのではなく、肘から先を一体にして内転を効かせて打つ。④フォロースルーでも体の軸がまっすぐに保たれており、バランスが全く崩れていない。
以上の点を参考に、身長の低い日本人も真似したい。

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ジョン・イズナーのファーストサーブ

ジョン・イズナーのフラットサーブ:錦織とはライバル関係にあるアメリカNO1プレーヤー。スピンサーブは錦織のはるか頭上までバウンドする。フラットサーブでは、ラケットがミシッと折れるような爆音を立てて飛んでいく。そのイズなーの最も得意なサーブがフラットサーブである。
フラットサーブはスピードで相手にプレッシャーをかけるサーブだ。トスを上げた左手は甲が見えるまで回し、左肩を入れる。テイクバックでは両膝を曲げ、右腕を十分に下げてラケットを立てることで、ためを作る。ラケットヘッドのダウンでラケット面を背中に近づけ、右腕、ひじ、手首は「コ」の字形をつくる。このあと垂直に立った右腕を軸に、ひじ、手首、ラケットの順で打点に向け伸びていく。左腕はシーソーのように振り下ろす。インパクトでラケット面は正面を向き、ボールを突き上げる感じでラケットを振り抜く。

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<違う角度から見たイズナーのサーブ>

マリン・チリッチのサーブ

マリン・チリッチのフラットサーブ:2015年全米オープンテニス覇者。決勝では錦織と戦い、ストレートで勝利した。サービスゲームではサーブで相手を圧倒し、リターンゲームではストローク戦で圧倒した。完璧な試合運びで危なげなくグランドスラムを獲得した。チリッチの最大の武器は長身を生かしたサーブである。フラットサーブは強力で、アドサイドからワイドに角度をつけてフラットサーブが打てるのが強力な技になっている。
フラットサーブで強力なサーブを打つコツは、下から大きく円を描いて振り上げラケットを遠く投げ出すようにすることだ。トスアップしたあと、ボールを打つスイングに入る。バックスイングしたラケットを、下から大きく円を描くようにして振り上げる。そして、振り下ろしながら、ボールをたたくが、このとき、ラケットを遠くに投げ出すような気持ちでスイングすると、肩もよくまわり、ラケットヘッドが、空中にぶら下がるようにして出てくる。ボールをとらえる位置は、トスアップしたボールが落下し始めて、10センチから20センチくらいのところです。曲げ込んでいたひざと捻り込んでいた下半身のパワーを、上体から腕、肘、リストへと伝達して、ボールをたたく。

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<それぞれの方向から見たチリッチのサーブ>

ドミニク・ティエムのファーストサーブ

ドミニク・ティエムのファーストサーブ:ラケットをかついでいくときに、ラケットを大きく後ろに引いてから担いでいくため、サーブの威力はすさまじいものがある。両足をしっかりと曲げてタメを作り、瞬間的に伸ばしているため、スイングスピードがかなり加速されている。インパクトで左足から右手、ラケットがきれいに一直線になっており、最大打力を生むことができている。

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リシャール・ガスケのサーブ

リシャール・ガスケのサーブ:天才と呼ばれるガスケのスピンサーブ。テイクバックでは弓矢を引くようにラケットを引いており、右肘をめいっぱい後ろに引いています。下半身の力をうまく使っており、一般のアマチュアも参考にしたい。非常にオーソドックスなフォームをしており、安定性は高い。相手に攻撃されることのないセカンドサーブを持っているため、サービスゲームのキープ率が高い。

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ガスケのサーブの特徴:

・テイクバックで、弓矢を引くようにラケットを担ぐのがガスケの特徴です。

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・テイクバックで左足にしっかりと体重を乗せています。

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