ジョー=ウィルフィード・ツォンガのバックハンド強打

ラケットを丁寧に押し出すように打っています。ボールに方向性を与えることができています。打ち終わった後もインパクトに顔を残しています。インパクトを点でとらえず、線でとらえています。身体をうまく使って、右足をしっかり踏み込んで右足を中心に身体を回転させ、遠心力を使って打っています。
ツォンガのバックハンドは、非常に重たく、威力があります。しかも大胆で、どこを狙っているのか対戦相手は読みにくい。クロス、アングル、ストレート、深いボール、ヘビートップスピン、しつこくつなぐループ気味のボール、相手に読ませないように様々なボールを打ちます。多彩で攻撃的。バックハンド同士の打ち合いにも強い。基本はクロス方向に引っ張るのを得意にしています。バックハンドスライスもうまい。また、器用で、パッシングショットやランニングショットのときに、片手バックハンドを使うときもあります。高い打点での強打もうまく、リターンでも攻めることもできます。ベースラインの少し後ろで打ち合うのがツォンガの「間」です。相手からエースを取られることも少ないが、自分からエースを量産できる、とまではいきません。

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器用なラケットワークで柔軟に打ち方を変えることもあり応用力が高いですが、少し横着をして打っているように見えるときもあります。相手の逆をつこうとして、ミスをしてしまう場面もあります。また、ベースラインの少し後ろからオーバーペース気味に強打してミスをするシーンもあります。いくら豪腕のツォンガでもベースラインから少し下がったところから強打してもエラーが出てしまいます。必要以上の強打は、力みを生み、打点の乱れを引き起こします。調子が良いときは、狙ったところにボールが行き、ライン上にボールが落ちます。ツォンガのレベルが今より上がるためには、調子の波を一定にすることでしょう。

 


<違う角度から見たツォンガのバックハンドストローク>