9. マリン・チリッチのバックハンド強打

チリッチのバックハンドは、一般愛好家が最も見習うべきバックハンドでしょう。高い身長から高い打点のフラット系バックハンドは非常に強烈です。基本的にどんなボールが来ても、しっかりと横向きを作って、体重を前に(右足に)乗せて打ちます。そのバックハンドには非常に威力があります。テイクバックでしっかりと右肩を入れ、すばやく横向きを作ります。体重をいったん左足(後ろ足)に乗せます。ラケットの動きがスムーズで流れるようにスウィングします。体重を前に乗せ、思い切ってスウィングして、打ち込みます。フォロースルーでしっかりと身体を回転させ、最後まで振り切ります。浅いボールに対しては、前方にステップインし、横向きのままジャンプしながら打つことも多いです。ただ、ほどんどのショットを横向きで打つため、サイドに振られたときも(オープンスタンスを使わずに)横向きで打ちますので、少し窮屈に感じることもあります。

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リターンもうまく、パッシングも安定しています。安全に行くときは、膝をしっかりっと深く曲げ、身体の回転を抑えて打ちます。ストレートへの強打もうまく、フラット系で伸びがあります。厳しいボールに対しては、スライスを用いる柔軟性もあります。フォアハンドもバックハンドも攻撃的に打ち込みます。常に相手にプレッシャーをかけ、攻撃し続けます。そのため、アンフォースドエラーを重ねてしまうシーンもあります。メンタル的に少し弱いところもあり、接線で弱腰になることもあります。バックハンドストロークのスピードはかなりありますので、アンフォースドエラーを減らすことが課題でしょう。

違う角度から見たチリッチのバックハンドストローク