10. ラファエル・ナダルのバックハンド強打

ナダルのバックハンドは、強烈なスピードボールを打つ技術と、壁のように緩いボールを打ち相手の勢いを止める技術を持っています。フォアハンドと違って、それほどスピンをかけません。インパクトの位置が非常に前です。両腕が伸び切ったところで打ちます。手首もかなり伸ばし気味に打ちます。そのため、打点の範囲は広い。フォロースルーでは、身体に巻きつけます。クロスに打ちやすいフォームをしています。バックハンドのクロスが一番の武器です。ナダルはラリー中、自分のバックハンドクロスがエースになるタイミングを見計らい、クロスへの強打のタイミングをうかがいます。相手がコートの中央への戻りが遅いと、すかさずオープンコートにクロスボールを打ち込みます。相手が返球できたとしてもナダルには回り込みフォアハンドがあります。フォアハンドの強打があるから、あえてそれほど無理をしません。相手のアンフォースドエラーを誘うかのように、しつこく返し続けることもします。バックハンドのストレートに強打することもできます。バックハンドのクロスボールの返球が甘くなったとき、バックハンドでストレートを打ち込みます。ナダルのバックハンド側を狙っても、ライジングショットでカウンターすることもできます。また、ペースを落として打ったり、バックハンドスライスも多用します。

rnbs1

rnbs2

rnbs3

rnbs4

rnbs5

rnbs6

rnbs7

rnbs8

ナダルは遠い打点が得意です。サイドに振られたときに強さを発揮します。いくら強いボールで強打しアプローチ&ネットダッシュしても、ナダルのストレートへのパッシングショットはうまいです。相手はナダルの強烈なフォアハンドを避けて、バックハンドを狙いますが、ナダルのカウンターの餌食になります。バックハンドでしっかりと左肩を入れ、ボールを引きつけるので、相手にコースを読ませません。相手が先に動くときは、ボールをひきつけます。相手が足を止めてしまったときは、ライジング気味に打ちます。同じ構えから、クロス、ストレートに強打できます。パッシングショットは、かなり速い。相手は、読みが当たっても、ナダルのスピードボールに対応できません。ミスヒットし、エラーしてしまいます。激しいスピンをかけて足元を狙うこともあります。
課題としては、高い打点は少しミスをすることもあります。調子が悪いときは、相手のボールに押されて、明らかにアウトするようなボールを打ってしまうこともあります。高い打点を振り遅れて、ストレートへの強打をサイドアウトするシーンもあります。調子が良いときには手がつけられません。ほとんどミスしません。特にブレイクポイントでは100%ミスしないのではないのかと思わせるほどです。

違う角度から見たナダルのバックハンドストローク

24. バーナード・トミックのバックハンド強打

バーナード・トミックのバックハンドリターン:飛んでくるボールと同じ高さにラケットバックし、まっすぐに押し出すように打っている。インパクトに神経を集中して、ストレートにカウンターショットを狙った場面で、トミックのボールコントロールの良さが垣間見える。
リターンのポイントは、相手サーブのインパクトの瞬間にスプリットステップを踏み、ボールが飛んでくる方向にボディターンを行うことである。ボディターンと同時にテイクバックをして、体の前で打てるようにしたい。また、相手のサーブに対して自分がどの位置に立てば振り遅れないかを理解し、しっかりと前に踏み込んで打つことが大切。そのために、自分のリターンをする位置をいつも考えておくようにしよう。またグリップは、自分が苦手とする側のグリップでもつように。

btbs1

btbs3

btbs2

btbs4

btbs5

btbs6

btbs7

btbs8