9. マリン・チリッチのバックハンド強打

チリッチのバックハンドは、一般愛好家が最も見習うべきバックハンドでしょう。高い身長から高い打点のフラット系バックハンドは非常に強烈です。基本的にどんなボールが来ても、しっかりと横向きを作って、体重を前に(右足に)乗せて打ちます。そのバックハンドには非常に威力があります。テイクバックでしっかりと右肩を入れ、すばやく横向きを作ります。体重をいったん左足(後ろ足)に乗せます。ラケットの動きがスムーズで流れるようにスウィングします。体重を前に乗せ、思い切ってスウィングして、打ち込みます。フォロースルーでしっかりと身体を回転させ、最後まで振り切ります。浅いボールに対しては、前方にステップインし、横向きのままジャンプしながら打つことも多いです。ただ、ほどんどのショットを横向きで打つため、サイドに振られたときも(オープンスタンスを使わずに)横向きで打ちますので、少し窮屈に感じることもあります。

mcbs1

mcbs2

mcbs3

mcbs4

mcbs6

mcbs5

mcbs7

mcbs9

mcbs8

リターンもうまく、パッシングも安定しています。安全に行くときは、膝をしっかりっと深く曲げ、身体の回転を抑えて打ちます。ストレートへの強打もうまく、フラット系で伸びがあります。厳しいボールに対しては、スライスを用いる柔軟性もあります。フォアハンドもバックハンドも攻撃的に打ち込みます。常に相手にプレッシャーをかけ、攻撃し続けます。そのため、アンフォースドエラーを重ねてしまうシーンもあります。メンタル的に少し弱いところもあり、接線で弱腰になることもあります。バックハンドストロークのスピードはかなりありますので、アンフォースドエラーを減らすことが課題でしょう。

違う角度から見たチリッチのバックハンドストローク

14. ケビン・アンダーソンのバックハンド強打

ケビン・アンダーソンのバックハンド強打:ラケット面を伏せてテイクバックしているので、インパクトでラケット面が安定しやすく、強打に適している(テイクバックでラケット面が上を向いていると、インパクトでラケットをかぶせるようなスイングになりやすく、インパクトが不安定になりやすい)。バックハンドの低い打点では、軸足となる左足をしっかりと曲げ、地面を蹴り続けることで、重たいボールを打つことができる。また、低い打点では、上体を起こして打つために、軸足の左足をしっかりと曲げてスイングすることが重要になる。バックハンドストロークでは、インパクトで顔を横に向けて両目でインパクト位置のボールを見よう。バックハンドは、ボールをかなり引きつけて打つため、打点がかなり後ろになる。そのため、インパクトでボールを見るときに、顔を動かして両目でしっかりとインパクト位置を見ることが重要になる。一般のアマチュアには、顔がネット方向に向いたまま、目だけで(横目で)ボールを追いかけてスイングしてしまいがちだが、その場合ミスヒットする可能性が高くなるので、注意しよう。

 

kabs1

kabs2

kabs3

kabs8

kabs4

kabs5

kabs6

kabs7

15. ダビド・ゴファンのバックハンド強打

ダビド・ゴファンのバックハンド強打:近年めざましい活躍を見せるゴファンのバックハンド強打。ストローク戦では、激しい強打と鋭いカウンターショットで相手にポイントを与えない。身長はそれほど高くないが、脚力が高くコートカバーリングに長けている。ストロークウィナーを量産するタイプではない。相手の弱点を攻めて相手の嫌がるプレーを行い、ラリー戦でねばり強く返球し続けることによって、試合を支配していく。
両手バックハンドストロークで威力を出すためにリストを効果的に使おう。インパクトの形を維持したままテイクバックし、スイング開始時にグリップエンドからラケットを振り出していくことによって、リストを使おう。スイング開始時に左手を手の甲側に曲げて(右手を手のひら側に曲げて)手首とラケットで角度を作り、インパクト直前でリストを使ってラケットヘッドを勢いよく返し、スイングスピードを一気に加速させよう。注意点は、インパクトでラケットとボールが接触しているときに、手首を緩めてラケットを手首で動かしてしまうと、ボールコントロールが悪くなってしまうことである。インパクトの直前直後では手首を固定してスイングする。インパクト時点ではリストの形を元に戻し、その形を維持したままフォロースルーしよう。

dgbs1

dgbs3

dgbs2

dgbs4

dgbs6

dgbs5

dgbs7

dgbs8

dgbs9

 

>>ダビド・ゴフィンのそのほかの連続写真

エルネスツ・グルビスのバックハンド強打

エルネスツ・グルビス(ATPランク81位)のバックハンド強打:バックサイド側に飛んできたボールに対して、左軸足をしっかりと踏み込んで強打した例。遠いボールの対処は、軸足の使い方が大事で、軸足の使い方を覚えれば、あらゆるボールを打てるようになる。
遠くて深いボールに対して、オープンスタンスで踏みとどまってしっかりと打ち返すには、軸足の1本足でバランスをとることが大切。そのためには、オープンスタンスの状態で、ストレートやクロスへのショット、あるいはロブなどのあらゆるボールを打つ練習をしてみよう。テニスの動きの基本は、軸足を決めてしっかりと踏み込んで打てるフットワーク。ただし、その動きができない場合は、最悪でも軸足一本でしのげるようにしておこう。それでも間に合わないボールは、ロブを上げたり、スライスを使ったりしてしのげるようにしたい。

(1)動画

(2)連続写真

egbs1

egbs2

egbs3

egbs4

egbs6

egbs5

egbs7

egbs8