13. ジル・シモンのフォアハンド強打

初めてシモンを見たのが2004年オーストラリアンオープン1回戦。近いうちにランキング上位に来るかもしれないと思ってから、すぐにその通りになった。スウィングは非常にシンプルで無理がない。ラケット面の使い方がうまく、ボールへの合わせ方・タイミングの取り方がうまい。必要以上に身体に負担をかけずスウィングするので、スウィングに安定感がありショットの再現性は高い。過度に手首をつ買わず、過度に身体を回転させることもない。常に自然体で打っている。力まずリラックスしながらボールにスピードを与えることができる。フットワークが非常に早く、コートカバーリング能力が非常に高い。カウンターが得意。相手の様子をうかがいながら、ボールのスピードや回転量を微妙に変える技術も持っている。相手のボールに逆らわず、いなす感じ。常にフラットボールを打ち続ける技術を持っているが、あえてそれをしない。スピン系のショットを深いところに打ちチャンスをうかがい、チャンスボールをフラットに叩いて、エースを取る戦術を使う。

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14-1. ケビン・アンダーソンのフォアハンド強打

ケビン・アンダーソン(ATPランク14位)  フォアハンド / バックハンド / サーブ
しっかり構えて、しっかり振り切るフォアハンドストロークを持っています。テイクバックでしっかりと肩を入れており、重いボールを打つ。姿勢が良く、身体の軸を中心に、しっかりと体幹を使って打ちます。高い打点が得意で、攻撃的なプレースタイルです。競り合ったときや大事なポイントのときに、少し硬さが目立ちます。ラケット面の支えがしっかりしていて、ボールに負けず、力強いボールを打ち返す。リターンからアタックする技術力が高い。テイクバックはオーソドックスでラケットを肘から引くタイプ。コンパクトで、早いタイミングの打ち合いに負けることもない。スピードは非常に速い。身体のバネやしなりを使って打つというよりかは、腕力でラケットを振り抜く。そのため、ショートクロスに打ったり、緩急をつけるなど、タッチ系ショットが課題だろう。カウンターを得意としている。身体のバランス・運動能力が高い。

(1)動画

(2)連続写真

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15. ダビド・ゴファンのフォアハンド強打

ダビド・ゴファンのフォアハンド強打:小柄なゴファンだが、スキのないプレーで確実に勝利をもぎ取る。戦術に長けており、その戦術を支えているのが確かな技術力だ。写真では、コンパクトなテイクバックでしっかりとコントロールして打っている。インナーマッスルを使ってスイングしているため、動きはダイナミックではないがボールに伸びがあり、見た目以上にスピードがある。また、フィニッシュで次に動ける体勢が作れている。

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>>ダビド・ゴフィンのそのほかの連続写真

16. フェリシアーノ・ロペスのフォアハンドリターン

同じサウスポーのナダルと違い、安定感重視のフォアハンドを持つフェリシアーノ・ロペス。ワイパー気味のスウィングでトップスピンを多めにかける。フォロースルーは大きめ。ストロークもボレーも同様、面の使い方が非常にうまくインパクトが非常に丁寧。ネットの高いところを通してスピンでつなげ、しつこくプレーをする。膝をそれほど曲げず、下半身の使い方を控えめではあるが、高い打点でのフォアハンド強打にはスピードがある。決して大振りしたり、やみくもに強打せず、理詰めでプレーをする。基本はフォアハンドのトップスピンで相手のバックハンド側を攻める。低く滑るバックハンドスライスと、よく跳ねるトップスピンフォアハンドを組み合わせて、相手のリズムを狂わせる。
大事な場面でのストロークのアンフォーストエラーが少なく、チャンスを待ってボレーで決める。サーブ&ボレーが得意で、試合では多用する。サーブ&ボレーヤーではあるが、ストローク戦も強い。相手の球が浅くなれば、バックハンドスライスでアプローチを打ち、ネットダッシュする。ナダルのように回り込んで逆クロスにフォアハンドを打つことは少ない。順クロスが得意。

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17. ジョン・イズナー

破壊力ナンバーワンのイズナー。フラットサーブの重さは歴代トップクラスでしょう。
連続写真は、リズムよく打ち込んだフォアハンド強打。フォアハンドの強打は豪快そのもの。脇をしっかりと締めて、右肩をしっかり前に出して、叩きます。左肩をしっかり入れてテイクバックしているので、相手はコースが読めない。決して手打ちではなく、下半身からの運動連鎖を使っています。一般愛好家が参考にすると、アンフォーストエラーばかりで試合にならない可能性があります。
フットワークに課題がありますが、どフラットで叩き込んで1発でエースを取れる攻撃力はスリリングで魅力的。試合では、サーブから、古いリターンをフォアハンドで1発で決める戦術を多用します。ライジング気味の強打に近年取り組んでおり、2015年はツアー戦で上位まで勝ち上がってくる常連となっています。
2015年錦織戦では、身長がそれほど大きくない錦織に対し、ボールに触れさせないサーブを連発。どこまでも跳ねるキックサーブと、スピンサーブ並みに跳ねるフラットサーブで錦織を撃破しました。

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18. ガエル・モンフィスのフォアハンド強打

モンフィスはショットにスピードを出すセンスがあります。フォアハンドストロークはフォロースルーが小さめで、手首をよく使ってスピンをかけます。打点が少し後ろで、よく引きつけて打ちます。クレーコートが得意で、ベースライン後方でラリー戦からポイントを取ります。ベースライン後方でポジションを取ることも多いため、攻めが遅い印象があります。トップ選手と戦うときは防戦一方になることも多いが、身体能力が高すぎるため、守り勝つこともある。身体能力を活かしたカウンターが得意。
手首でボールをこすり上げるように打つため、当たりが薄くなり、ボールが浅くなることもあり、相手にとって打ちやすい球になることも多い。今後の課題はどれだけ攻め切れるショットを持てるかだろう。

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