アンディ・マレーのフォアハンド強打

アンディ・マレーのフォアハンド強打:体の軸を中心にした回転運動で打っている。ショットにおける体の軸は、背骨になる。背骨を中心に回転するためのポイントを以下に示す。
・背骨を中心にして、上半身をテイクバックでひねり、これを戻す体幹の力を回転力に使います。
・背骨のねじりを最大限にするため、背骨から頸椎までを真っ直ぐにします。
・手は、腕とグリップをつなぐためだけに使います。
・腕は、上半身の回転に引っ張られて、受動的に動きます。
・テイクバックで上半身をひねるために、ひざを軽く曲げます。曲がっているひざが前方を向いている状態を保つと、下半身は回転出来ません。
・スイング開始時にグリップエンドからラケットを振る(手首とラケットの間に角度をつくる。コック動作をしておく。)事で、慣性モーメントを小さくしておきます。慣性モーメントを小さくすれば、スイング初期の角加速度が大きくなります。
・インパクト直前に、ラケットヘッドの遠心力に引っ張られて、アンコック動作(手首とラケットの角度が小さくなっていく。曲げていた手首が伸ばされていく。)が行われ、回転半径が最大になります。
・アンコック動作の終了をインパクトまたは、インパクト直後に持ってくることで、インパクト時に最大打力の状態が作れます。

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<違う角度から見たマレーのフォアハンドストローク強打>

24. バーナード・トミックのフォアハンド強打

トミックのフォアハンドストロークは、テイクバックが高くボールの上からラケットが出てくる点が特徴的です。インパクトで斜め上に振り抜かず、地面と平行にスウィングします。現代的なワイパースウィングの多い若手選手には珍しく、フラット系のストローク。当たりが非常に厚く、体重をしっかりと前に乗せて、打ち抜きます。弾道の低さは、トッププロならでは。自信を持ってしっかりと振り切っています。ボールは相手コートでバウンドしてから非常によく滑ります。相手は低い打点で打たされるため、強打しづらい。
一般愛好家のお手本のようなスウィングでボールへの入り方や姿勢がきれいで、安定感があります。ストレートへのカウンターが得意で、フォアサイドに厳しく振られる場面でもライジング気味にボールに合わせてフラット系ショットをストレートに流します。攻めが遅い傾向があり、ミス待ちのテニスをする場面が見られる上位選手と戦うときに、先に主導権を握られ、防戦一方になることも多く、カウンターで対抗するも、負けてしまうことがあります。

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27. ジャック・ソックのフォアハンド強打

フルウエスタングリップですさまじい回転をかけてボールをしばくジャック・ソック。トップスピンの回転量はトッププロの中でも1、2を争う。シングルスプレーヤではナダルの次に多い回転量をかける。チャンスボールでは高い打点からフラット系のショットを打つので、エースも多い。
トップスピンの特徴は、ボールのバウンドが高いということである。そのためベースライン付近に深く落とすトップスピンにかなり威力のあるショットになる。トップスピンのスイングでは、インパクトからフォロースルーで、ボールを下から上にこすりあげるという動作が最大のポイントになる。これによってボールに強い順回転をつけるわけで、そのためにはフラット系のショットよりも打点を前にし、フォロースルーも頭上へ高く振り上げるようなフォームにしなければならない。この時の注意点は、決してラケット面をボールにかぶせていくような打ち方をしないこと。ややふせた状態からラケットを起こし、フラットな面でとらえて上に振り抜くのが正しいスイング。こうしないとボールはネットを越さない。

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