アンディ・マレーのフォアハンド強打

アンディ・マレーのフォアハンド強打:体の軸を中心にした回転運動で打っている。ショットにおける体の軸は、背骨になる。背骨を中心に回転するためのポイントを以下に示す。
・背骨を中心にして、上半身をテイクバックでひねり、これを戻す体幹の力を回転力に使います。
・背骨のねじりを最大限にするため、背骨から頸椎までを真っ直ぐにします。
・手は、腕とグリップをつなぐためだけに使います。
・腕は、上半身の回転に引っ張られて、受動的に動きます。
・テイクバックで上半身をひねるために、ひざを軽く曲げます。曲がっているひざが前方を向いている状態を保つと、下半身は回転出来ません。
・スイング開始時にグリップエンドからラケットを振る(手首とラケットの間に角度をつくる。コック動作をしておく。)事で、慣性モーメントを小さくしておきます。慣性モーメントを小さくすれば、スイング初期の角加速度が大きくなります。
・インパクト直前に、ラケットヘッドの遠心力に引っ張られて、アンコック動作(手首とラケットの角度が小さくなっていく。曲げていた手首が伸ばされていく。)が行われ、回転半径が最大になります。
・アンコック動作の終了をインパクトまたは、インパクト直後に持ってくることで、インパクト時に最大打力の状態が作れます。

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<違う角度から見たマレーのフォアハンドストローク強打>

19. トミー・ロブレドのフォアハンド強打

トミー・ロブレドのフォアハンド強打:

①グリップ:ウエスタン
②球種:スピン多め
③テイクバックの種類:ストレートタイプ


厚いグリップで振り抜くロブレドの強烈なフォアハンド。オープンスタンスを多用する。
<オープンスタンスのポイント>
・腰を回転させ、体、肩、肘、手へと回転を伝えていくことで、スピードがアップします。強く打とうという気持ちが強すぎて、腕が先に動くと、脇が開き、スイングスピードが遅く、押しの弱いショットになります。
・左手は真っ直ぐに左胸の脇にしっかりと引きます。左手の引きが不十分だったり、脇が空いて引いてしまわないように注意しましょう。
・フォワードスイングでは、脇を開かずに手と肘を真っ直ぐ同時に出すことで、威力があるショットになります。

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32. フェルナンド・ベルダスコのフォアハンド強打

フェルナンド・ベルダスコのフォアハンド強打:トッププロのなかでも随一のポテンシャルを持つベルダスコ。運動能力が非常に高く、スイングスピードを上げるセンスは抜群。未だグランドスラムのタイトルをとったことがないのが不思議なくらいである。豪快なフォアハンドと、強力なサーブで相手をねじ伏せる。弱点を見つけるのが難しい。フィジカルも優れており、全身の筋肉が盛り上がっている。自分が100パーセントの力を出せば、勝てない選手はいない。
勝利への貪欲さが今ひとつ足りないか、グランドスラムで勝ちきれない。プレースメントや戦術・戦略面、対戦相手の研究・分析不足が原因。相手に勝つには相手のプレーに順応する能力が必要であり、相手のプレーに合わせつつ、相手の嫌がるプレーをする必要がある。そういったことに長けているのがフェデラーや錦織。戦術的なセンスがあれば、グランドスラム優勝の常連になっている才能の持ち主。

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それぞれの方向から見たベルダスコのフォアハンドストローク

34. エルネスツ・グルビスのフォアハンド強打

エルネスツ・グルビスのフォアハンド強打:グルビスのフォアハンドの特徴は、テイクバックでバンザイをするようなかたちである。ダイナミックなフォアハンドで、一度見たら忘れにくい斬新なフォームだが、スピード重視の合理的なスイングになっている。スイングの軌道がネット方向に大きく長いため、コントロールとスピードを両立したフォームである。インパクトで脇をしっかりと締めているところと、前方に直線的に腕を突き出すようなフォワードスイングは、是非見習いたいところだ。

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